遺書

わたしはいま50万円の貯金があります。

わたしが死んだら全て彼に渡してください。会う度に、美味しいものを食べにと連れてってくれて、優しくしてくれた恩があるので。


あと、部屋の本は売ってください。

できればわたしの部屋ごと燃やしてください。


会社の机の、右側の引き出しに判子があるので、妹にあげるなりしてください。高かったらしいので。



彼が寂しがらないようにしたいので、最後のお葬式までちゃんとくるように言ってください。

それできっちりお別れして、彼には他の人を好きになってほしいです。とてもいい人なので1人で生きるのはもったいない、遺伝子を絶えさすのは人類の損失なので…ああーでもわたしはやっぱり彼が1番好きなので、すごく好きなので、彼がたのしく生きるのが1番だと思っちゃうから、わたしのことは忘れて、わたしの、50万円で好きな人と北海道に行って朝からいくら丼を食べたりしてくれーー